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OSEE受験記 — 親友3人で世界を巡って AWE に挑んだ話

受験記

OffSec の資格 OSEE(OffSec Exploitation Expert) に合格しました。OSEE はオフェンシブセキュリティの資格の中でも特に難しいものの1つですが、ネット上の情報がほとんどありません。そこで、OSEE がどんな資格なのか、そして親友たちと私がどうやって勉強したのかをまとめておきます。

内容は YouTube に上げた動画「AWE OSEE Review — Our Journey Around the World 」を文章に起こしたものです。

試験の NDA を尊重し、具体的な試験内容には一切触れません。扱うのは学習の過程と率直な感想だけです。

はじめに

私はオフェンシブセキュリティの会社で働いています。OSEE の前に OSCP と OSCE3 を取得していたので、エクスプロイト開発の下地はある程度ありました。ただ、はっきり言っておきたいのは、OSEE はまったく別次元だということです。

OSEE の概要、前提知識、費用といった情報は、他の方のブログや公式サイトでも調べられます。この記事ではそこは簡単に済ませ、私自身がどう学び、どう準備したか――検索しても出てこない部分――を中心に書きます。

OSEE / AWE とは

OSEE(OffSec Exploitation Expert) は、コース EXP-401、通称 AWE(Advanced Windows Exploitation) の試験に合格すると取得できる資格です。

OffSec の資格の中で最も高度なもので、モダンな Windows のエクスプロイト開発に焦点を当てています。扱うのは、各種緩和策(mitigation)の回避、カーネルレベルのエクスプロイト、そして堅牢化されたターゲットに対して実際に動くエクスプロイトを組み上げることです。「スキャナーの使い方を覚えてシェルを取る」系の資格ではなく、低レイヤーに深く潜るエクスプロイト開発の資格です。

前提知識

ここはとても大事なので、しっかり読んでください。OSEE は初級者向けの資格ではありませんし、正直に言えば中級者向けでもありません。挑戦を考える前に、次のものに慣れておくべきです。

  • Windows Internals
  • アセンブリ(特に x86 / x64)
  • デバッグ(WinDbg などを「使える」ではなく「使いこなせる」レベル)
  • エクスプロイト開発の経験(先に OSED を取っておくのは自然なステップです)

これらに馴染みがないなら、まずはその土台を固めることを強くおすすめします。土台なしでいきなり OSEE に飛び込むと、本当にきつい思いをすることになります。

オフライン(対面)受講が必要

OSEE が他の OffSec 資格と大きく違うのがここで、多くの人(私も含めて)がつまずくポイントです。

OSCP や OSED のようにオンラインで自分のペースで進められる資格と違い、AWE は従来から 対面のライブ形式 で提供されてきました。Black Hat のようなイベントや、そうしたライブセッションに 実際に足を運んで 受講する必要があります。

つまり、夜中の2時に購入してそのまま自室で取り組み始める、というわけにはいきません。開催スケジュールや開催地、そして多くの場合は渡航まで含めて計画する必要があります。お金だけでなく、時間と段取りの問題でもあります。

費用

ここは安くありません。コース受講料と試験を合わせて 1万ドル超 かかります(価格は変わるので、最新の金額は公式サイトで確認してください)。

さらに対面受講なので、次の費用も考えておく必要があります。

  • 渡航費(航空券)
  • ホテルなどの宿泊費
  • 仕事を休む分の時間

実際の総額は、表示価格よりかなり高くなります。計画を立て始める前に誰かにはっきり言ってほしかったことなので、ここで正直に書いておきます。

試験

試験は 72時間 の実技試験です。限られた時間の中で実際に動くエクスプロイトを開発し、学んだことを暗記ではなく「使える」ことを示します。

選択式の問題はありません。動くエクスプロイトを作り、きちんとドキュメントにまとめられるか、できないか。それだけです。過酷ですが、公平です。純粋にスキルを試す試験だと思います。

どう勉強したか — 世界を巡った旅

この記事を書きたかった一番の理由がここです。ここまでの内容は他のブログでも読めますが、ここからは私たち自身の経験です。

まず知っておいてほしいのは、私は一人で挑んだわけではない ということです。親友2人と私の3人チームで、この旅を一緒に歩みました。試験に備えるため、3人で 世界を回り、対面のトレーニングを受けてきました。安くも簡単でもありませんでしたが、親友と肩を並べて取り組めたことが、合格できた一番大きな理由だと本気で思っています。

準備のために受けたトレーニングは次の3つです。

1. Corelan Heap Exploitation Masterclass(Peter Van Eeckhoutte)

エクスプロイト開発の世界では伝説的なクラスです。ヒープエクスプロイトは本当に身につけるのが最も難しいテーマの1つですが、Peter のクラスは手順を暗記するのではなく、内部で何が起きているかを本当に理解させてくれます。

2. Windows Internals for Security Engineers(Yarden Shafir)

Windows をエクスプロイトするには、まず Windows を理解しなければなりません。このクラスは、OS が実際にどう動いているかについての理解の穴を数多く埋めてくれました。OSEE にとってこの土台は決定的に重要です。理解していないものはエクスプロイトできません。 (受講記録:OffensiveCon 2025「Windows Internals for Security Engineers」を受講)

3. Advanced Windows Exploitation(Morten Schenk / Alexandru Uifalvi / Matteo Memelli)

AWE のコースそのもので、OSEE に直結するトレーニングです。この分野のトップクラスの講師陣が教えてくれます。ここで、それまでに学んだことがすべてつながりました。

これから受ける人へのアドバイス

OSEE を目指す人に、正直なアドバイスをいくつか。

  1. エクスプロイト開発の経験を積んでから挑むこと。
  2. WinDbg はコースの前に使いこなしておくこと。 コース中に覚えるのでは遅いです。
  3. 自分のノートを作ること。 記憶に頼らないでください。
  4. 試験の前にはしっかり寝ること。 本当に。

まとめ — これはスタート地点にすぎない

OSEE は私にとって価値があったか? 答えは イエス です。高額で、要求も厳しく、対面受講の必要もあって本当に覚悟のいる挑戦です。それでも、間違いなく私をより良いエクスプロイト開発者にしてくれましたし、この資格には確かな重みがあります。

とはいえ、OSEE の合格はゴールではありません。Windows セキュリティの研究者として、学ぶべきことはまだまだたくさんあります。

Windows のエクスプロイト開発に本気で取り組みたいなら、自分のスキルのためにできる最高のことの1つだと思います。OSEE について質問があれば、X(@Yunolay) や動画のコメントで気軽に聞いてください。

関連リンク

合格証

OSEE(OffSec Exploitation Expert)の認定証
OSEE の認定証(2026年6月2日取得)

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